皆さんは初めて聴いたとき衝撃を受けたアーティストを覚えているでしょうか。
とあるバンドと出会い、邦ロックキッズだった当時高校生の僕は愕然としました、人間業とは思えないテクニックと掴めないリズム、圧倒的になっがい楽曲などなど…
抜け出せない世界に引きずり込まれたような感覚を今でもハッキリと覚えています。
ギタリスト・ベーシストに続いて記念すべきアーティスト記事第一弾は現在ワールドツアー真っ只中のDream Theater!
キャリア40年超を誇る魅力を大作主義の彼らに倣って、驚きの3部構成でたっぷり語り尽くしたいと思います!
ちなみに現時点でどういう記事にしようか全く考えていません、大丈夫なのか俺!
とにかく今回の記事では導入編として彼らの活動を本当にざっくり振り返ってみましょう!
〇超絶技巧集団集結!
1985年、「一日最低でも6時間は練習しようぜ!」と約束していたジョン・ペトルーシ(Gt.)と幼馴染のジョン・マイアング(Ba.)は共にバークリー音楽院に入学後、マイク・ポートノイ(Dr.)と出会い意気投合しバンドを結成、後にケヴィン・ムーア(Key.)と合流して前身となる「Majesty」が誕生します。
難航したボーカル探しもバンド側に熱烈アピールを繰り返していたチャーリー・ドミニシを迎え、本格的な活動を開始するかと思った矢先、「Majesty」というバンドが既に存在していたことがデビュー直前に発覚。
訴訟寸前まで発展し改名をを余儀なくされることに…
始動前から早速トラブってます。
2代目ボーカルであるチャーリー・ドミニシのYouTubeチャンネルより、非常にレアなMajesty時代のリハ。
今の彼らでは考えられないような突っ走りっぷり、この映像のKeyは今なお根強い人気を誇る創設メンバーのケヴィン・ムーアですね。
当然バンド名が決まらなくてはデビューどころかレーベル契約もできません。
そんな中ポートノイの父親が「近所の映画館の名前を使ったらええやん!」と素っ頓狂な提案を持ちかけてきますが、なんとこれがメンバーにあっさり受け入れられてしまいます。
こうしてDream Theater(以下DT)が誕生しました。
※このボーカル加入とMajestyからの訴訟問題、レーベル契約のタイミングは資料によってバラバラですが、どっちにしても大変やったんやなということで納得してください。
その後紆余曲折を経て三代目ボーカルのジェイムズ・ラブリエを迎えた2ndアルバム「Images & Words」が世界的に大ヒット。
2022年にはグラミー賞を受賞するなど、今日に至るまでプログレッシブ・メタルの旗手として活動を続けています。
2022年グラミー受賞時の映像がこちら、まったく予想だにしていなかったようで珍しくテンパってるペトルーシの姿が
ここまでかなり駆け足でまとめましたがこのバンド、長きにわたる活動の中でかなり苦労してきたようで、公表されている情報だけでもびっくりするような出来事に見舞われ続けています。
この記事では流しますが、別の記事では可能な限り詳細に触れていきましょう。
〇バンドメンバーと楽曲について
バンド全体に触れる前にメンバーの紹介をしておきましょう。
ジョン・ペトルーシ(Gt.)
ご存知マッチョギタリスト、最近は髭も伸ばして顔の可視範囲が約半分になってきてほぼドワーフに近い状態。
スティーヴ・モーズから影響を受けた異次元精度のオルタネイトピッキングとエモーショナル過ぎる泣きのギターを中心に、あらゆるテクニックに突出した現代を代表するプレイヤーの一人。
気難しい人間が多いプログレ界の中でもとりわけ気さくで茶目っ気にあふれる人物。
近年ではクリニックを主催したり他アーティスト楽曲への参加も増え、フットワークの軽さも魅力の一つ。
現時点のソロ最新作より、テクニックと泣きのソロがトレードマークですが、こういったオーソドックスなメロディー弾かせても良いフレーズ聴かせてくれます。
ジョン・マイアング(Ba.)
今も昔も変わらぬサラサラロン毛無口ベーシスト、最近になってようやくメディアへの露出も増えてきましたが、少し前まではインタビューに答えるだけでネットニュースになっていた男。
基本に忠実で堅実的なベースラインを弾く傍ら、ペトルーシのギターに指弾きであっさり追いついたりタッピングぶち込んだり時々様子がおかしくなる。
6弦ベースを隅々まで駆使しテクニックの限りを尽くすと同時に、Hi-C弦を絡めたハーモニクスでメロディにも貢献。
彼が作詞に関わった作品は軒並み名曲ぞろいなので一聴の価値あり。
名作「Metropolis Pt.2」の実質的なオープニングナンバー2曲、ギターとのユニゾンや高音弦を活かしたハーモニクス、スティーヴ・ハリス並みの強力なピッキングなどなど見ごたえ抜群。
マイク・ポートノイ(Dr.)
絵に描いたような陽キャ、コミュニケーションの怪物、関係者ととりあえず自撮りしたがるバンドのブレーンでありスポークスマン。
リズムに対しての解釈や遊び心が異常なほど研ぎ澄まされており、尋常ではない引き出しの多さや無尽蔵のスタミナを誇る、現代プログレドラマーの最高峰。
音楽だけでなく映画や小説など、エンタメそのものに対してかなり貪欲であり極度のワーカーホリック、DTの作品には彼がその時影響を受けていた何かしらが反映されていることがとても多い。
あとドラムセットが凄いことになってる、頑張れば住める、バスドラが3つある、全盛期は4つあった、椅子も2つあってフィルイン中に隣の椅子に引っ越すことがある、嘘は言ってないです。
3rdアルバムAwakeより「6:00」のドラムプレイ動画、イントロから複雑かつコミカルなリズムをぶち込んできます。
ジェイムズ・ラブリエ(Vo.)
悩み多き3代目ボーカリスト、バンドの特性上ステージにいない時間が多く何かと不遇な印象を受ける彼ですが、クリアなハイトーンと深みのあるメロウな歌唱法も心得ており表現者としては超一流。
7~8年ほど前からライブでの不調が囁かれていましたが、近年は第二の全盛期に迫る勢いで調子を上げてきておりいろんな意味で目が離せない愛されキャラ。
実はインストパート時はギターのダミーアンプ裏に構えた秘密基地で喉の調子を整えている、という噂がまことしやかに囁かれている。
マイク・ポートノイ復帰後初の楽曲として大いに盛り上がった「Night Terror」のライブ映像。このライブ辺りから調子を上げてきています。
ジョーダン・ルーデス(Key.)
9歳で名門ジュリアード予備校に入学した過去を持つちょっとおかしい人、クラシック由来の完璧なテクニックに加え、急な機材トラブルの際にもアドリブで5分ぐらい余裕でつなぐ適応力の高さも持ち合わせている超人。
ジョーダン加入前後で楽曲の難易度や構成そのものに変化が出るなど実は一番のバランスブレイカーでもある。
あと機材関係にめちゃくちゃ強く、アプリ開発に携わったり新しい楽器をライブにバンバン投入したり割と何でもできるイカレ具合、最近ネットでは本職のキーボードよりもギターを弾いている姿がよく見られるけどギターもめちゃくちゃ上手い、キーボードと同時演奏とかしてたりする、キーボーディストなのにシグネイチャーギターが出た、なんで?
現代プログレメタルの最先端であるAnimals as Leadersの楽曲を一回聴いて演奏してみようという無茶苦茶な企画。
しかしさすがはジョーダン、完璧な演奏と一緒に小粋なステップまで披露しています。
いかがでしょうか、恐ろしいことに誇張ナシです、ここまでくると個性や特徴というより最早クセの領域です。
こんな屈指のクセ強メンバーで構成された音楽が日本で武道館公演やるんだからよく分かりません。
軽くメンバーに触れたところで次はバンド全体の話に移りましょう。
特徴としてはやはり超絶技巧の一言、聴き慣れた今でこそもう驚く事も少なくなりましたが、当時は「これホンマに弾いてんのか?」と懐疑的な意見も多かったようで…
https://youtube.com/shorts/lmza4M-YOlc?si=f42ExC0NEnCwwHo2
ショート動画ですが93年の来日映像、若い!
無理もありません、一聴しただけではまず解読不可能な変拍子とポリリズムの嵐、単純に覚えるだけでも難しいトータル10分超えの長尺曲も多く、イントロで3~4分越える事も珍しくありません。
つい最近SNSでヒゲダンの名曲「Pretender」が終わっても「Octavarium」(24分)のラブリエはまだ歌わないというポストが話題になりましたね、それぐらい長いです。
インストパートでは可能な限り音とテクニックを詰め込む情報量多めのバトルが繰り広げられます、歌モノパートよりも演奏時間の方が長いことなんてザラ。
そこに各パート最高峰の技術者が好き放題やるからもう手が付けられません。
技術面の話に限ってはDT以前・以降と区別できるかもしれません。
聴き手としてはもうこの時点でだいぶハードル高いですが一旦我慢してください。そういうバンドなんですこの人たち。
特徴を話すとどうしても難解なテクニック集団のイメージを持たれることが多い彼らですが、各メンバーのルーツにRushやGenesis等の歌モノプログレが挙げられることもあって、ボーカルのメロディーが秀逸な楽曲も数多く存在します。
楽曲構成上出番が少ないとややネタにされがちですが、「Metropolis Pt.2」における登場人物ごとの歌い分けや「Lifting Shadows Off a Dream」の深みと優しさを併せ持った歌唱、そして「Anothe Day」や「Spirit Carries On」のような壮大なバラードはラブリエの類稀なる歌唱力と表現力あってこそ成り立つ楽曲でしょう。
別記事にしますがマネジメントの関係上本格的なツアーを回るようになったのは2ndアルバム発売後、高難易度の楽曲をほぼ完ぺきに再現するメンバーに全世界が驚愕しました。
当時の高い技術と若さ溢れる勢い全開のライブの様子は「Live At The Marquee」にて確認できます。
前振りはこれぐらいにしておいて、次の記事からは1stアルバムから彼らの軌跡を辿ってみましょう!
長丁場になるぞ~
