ANCHNAG
本名:安藤 弘司
1970年4月28日生れ
愛媛県出身
SEX MACHINEGUNS/ザ☆メンテナンス/BIG BITS
【画像引用元:https://espguitars.co.jp/artists/6241/】
今回のギターヒーローは日本を代表する生粋のヘヴィメタルギタリストANCHANGです。
SEX MACHINEGUNSのヴォーカル兼ギターとして有名ですが、ソロ活動や他のアーティストとの共演などで多彩な才能をみせる男気のあるギタリストです。
【画像引用元:http://sexmachineguns.smg-fire.com/】
LAメタル魂
中学生の頃に聴いたボン・ジョヴィの7800°ファーレンハイトがきっかけでギターを始めるようになりました。その後、ナイト・レンジャー、ドッケン、モトリー・クルーといったLAメタルにハマり、ヘヴィメタルギターのテクニックを猛練習します。ANCHANGは幼い頃に事故で右手の人差し指と、中指の一部を切断しています。それでも誰にも負けないギタリストになりたいと奮起し、人一倍練習に励んでいたそうです。
【画像引用元:https://rollingstonejapan.com/articles/detail/27904】
※1985年代LAメタルが流行しボンジョヴィなど多くのアーティストが来日公演を行っていた。
九州への大学に進学し、ギターを続けていたANCHANGは学祭への出場に向けて友人らとバンドを組みSEX PISTOLSより凄いバンドの意味で「SEX MACHINEGUNS」と名づけ、活動を始めます。その頃はパンクとメタルが混在した音楽であり、ANCHANGはギターのみでした。
その後、ANCHANGの就職による上京に伴い第1期鹿児島時代のSEX MACHI EGUNSは解散となりました。サラリーマンとなったANCHANGでしたが、メタル魂の熱は冷めておらず、新たなメンバーを集め第2期SEX MACHIEGUNSを結成しました。
当初はベースのNOISYがヴォーカルを担っていましたが「フザけ過ぎ」の理由からヴォーカルをクビになり、ANCHANGがヴォーカルを兼任することとなりました。
代表曲「みかんのうた」などで知られるANCHANGのユーモアな歌詞で少しずつではあるものの人気を獲得し、音楽番組などの出演で世間では「おもしろいヘビメタバンド」として知られていきます。それもANCHANGの思惑通りであり、とにかくヘヴィメタルというジャンルを日本で流行らせたい!ということから日常をテーマとした歌詞や奇抜なパフォーマンスで活動していました。
SEX MACHINEGUNS
ユーモア溢れる歌詞などから色物扱いされながらもテレビ番組への出演や、ライブ活動での演奏技術も評価され、1998年に「HANABI-la大回転」でメジャーデビュー。ライブでのステージングや高い演奏技術が功を奏してライブ動員数は多く、1年半後には武道館公演と快挙を成し遂げました。メンバーチェンジを繰り返すもANCHANGNの音楽性を一貫しており、「ONIGUNSOW」や「みどりのおばちゃん」「ファミレスボンバー」などヘヴィメタルの歌詞とは思えないユーモアな楽曲を制作しています。
ライブの人気も衰えず全国ツアーはもちろん、小さなライブハウスでも公演しSEX MACHINEGUNSの人気はヘヴィメタルファンのみならず多くの人を虜にしました。
メンバーチェンジや活動休止を経て2023年で25周年となり、新たなメンバーで精力的にライブ活動を行っています。
ANCHANG PLAY
ANCHANGのギタースタイルはもちろんメタル一色。王道メタルは一通り弾きこなせる実力で、キャッチ―なリフやタッピングや、アーミングを使いこなしたギターソロは安定していて高い評価を得ています。力強いながらも鋭く歯切れのいいピッキングは尊敬しているジョージ・リンチの影響が強いと思われます。また、ボーカル兼任ながらも複雑なリズムの中、安定したリズム感覚で器用にこなしています。ステージングも会場を煽るのが得意でアグレッシブなプレイや、振付をしながらのプレイも評判です。
【画像引用元:https://artist.cdjournal.com/a/sex-machineguns/116912】
拝啓ジョージ・リンチ様
Anchangが使用しているギターはESPランダムスターシェイプが多く、インディーズ時代から使用しています。ジョージ・リンチのESP製ギターをオマージュしたカラーなどがあり、Anchangのアイコン的なギター「髑髏よしえ」もジョージ・リンチのスカルギターを元にデザインされています。初期の頃はランダムスターに紙粘土で髑髏を作り自作スカルギターを使用していたそうです。
ANCHANG STAR KAMIKAZE Ⅳはその名の通りジョージ・リンチのシグネイチャーモデルKAMIKAZE 4のカラーリングとヘッドの形状を流用しています。
リアピックアップにSeymour Duncan製のSH-8bインベーダーを使用していた時期もありましたが近年は全てのモデルにジョージ・リンチモデルのピックアップTB-12やSH-12が取り付けられています。フロントは変わらずにインベーダーSH-8nを搭載。
人気モデルのANCHANG STAR-Ⅱは通常のANCHANG STARと同じでボディ、ネックともにハードメイプルで指板はエボニーが使用されていますが、ヘッド、ボディともに鋭利なシェイプに変更されメタル一筋のようなギターとなっています。
ライブでの使用頻度が一番高かったANCHANG STARはストレート―な歪が出る究極のメタルギターです。どんなに歪ませても音の芯が痩せずに鳴ってくれると本人は語っており、SEX MACHINEGUNSを支えてきた1本となっているようです。
通称「Les-chang」のレスポールカスタム。元はEDWARDS製のレスポールカスタムでハードなエイジングやスカルのステンシルでペイントされています。鳴りが良く、潰れない音が気に入り使用しています。その後このレスポールを元にESPで制作されたモデルも使用しています。ESPから限定販売されましたが、その時のレリック加工はAnchang自ら行っていました。ボディに書かれている「A10X」安藤を意味しており、シグネイチャーモデルはシリアルナンバーになっています。
ストレート爆音サウンド
アンプは長年Hughes&Kettner/ヒュース&ケトナーを使用します。TRIAMPにWARP Xとチューブアンプを使用していましたが近年はトランジスタアンプBLACK SPIRITを使用しています。
真空管が搭載されていませんので扱いが楽で、現代に合わせた仕様も気に入っているみたいです。真空管も部品の供給問題などでこれから安定して作られるかわからないですしね...。アンプはヘッド型、フロアー型を使い分けています。
BLACK SPIRITはチューブサウンドの再現やザギング機能が搭載されており、ディレイ、リバーブなどのモジュレーション系エフェクト、ノイズゲートも搭載されています。シルバーのコンパクトエフェクターはGALNERYUSのギタリストSyuのハンドメイドオーバードライブであり、お試しで使用しているそうです。
キャビは同社のTS112 proを2台重ねて使用。1台だとコンボアンプ感が出てしまうので2台使用して超爆音仕様にしているそうです。ケトナーは音の拡がりなく、レーザーのようにストレートに抜けるサウンドが好みらしくレコーディング、ライブ共に使用しています。
クリーン、歪ともにアンプ直で作られており空間系はBLACK SPIRIT内のエフェクトを使用、歪のブーストとしてBOSS SD-1/スーパーオーバードライブを使用している場合もあります。
チューナーはKORG Pitch Black PB-01、会場によって異なりますがワイヤレスはXvive XV-U2を使用しています。足元はチャンネル切替のフットスイッチのみとなり非常にシンプルな構成です。フットスイッチはスイッチの間隔が広く踏み間違えがないとの理由でフラタイプのBLACK SPIRIT使用時でも1つ前のMK2モデルを使用しています。
ちなみに音楽ではライブが一番だと公言しているAnchangはライブでは同期演奏を一切行わない主義であり、生演奏にこだわっています。
マルチプレイヤー
Anchangは他のアーティストへの曲や詩の提供もしており、多彩な才能を発揮しています。
サポート、セッションギタリストとしても高い評価を得ており、THE ALFEE 高見沢俊彦のソロ作品では詩の提供、レコーディング、ツアーギタリストとしても参加しています。
また、釣りやプロレス好きなことでも有名であり、雑誌やテレビにも安藤弘司名義で活躍しています。自身は工業高校だったので「作る」ということには「楽しい」しかないと語っています。
【画像引用元:https://www.fimosw.com/u/anchang】
ハイトーンヴォーカル、テクニカルギターでSEX MACHINEGUNSを代表とするフロントマンですが、楽曲はメンバーみんなで楽しく作ることを心掛けているそうです。
見た目とは違い、おっとりとした優しい性格で破天荒なキャラは演出しているそうです。
過去にAnchangと仕事をさせていただいた時も、非常に気を使っていただいたり、Anchangが選んでカスタムしてくれたギターを頂いたりと人の良さが溢れていました。リハ前後にも練習をしていて、一切手を抜かない妥協しない、ストイックなプロ根性とメタル魂は右に出る者はいないでしょう。
【画像引用元:https://www.excite.co.jp/news/article/Shueishapn_119086/】
現在もSEX MACHINEGUNSとザ☆メンテナンスを並行して音楽活動を行っており、精力的にライブ活動行っているAnchang。日本のメタル界をまだまだ盛り上げっていて欲しいですね。
SEX MACHINEGUNSのこれを聴け!!
超高速演奏の名曲。ハイトーンシャウトにテクニカルギターのみならず唸るベースとツーバスがレジェンド級です。
代表曲のひとつでもあり、ジャパンメタルの名曲として残してもおかしくない愛媛県のソウルメタルソング。
努力して得た演奏力が爆発する永遠不滅の名曲。とにかく元気が出る!
ジャパメタの完成形とも言われる神曲。成熟したSEX MACHINEGUNSが放つストレートなジャパンメタルはリフから何までカッコいい!