横山 健
1969年10月1日生れ
東京都出身
Hi-STANDARD/BBQ CHICKENS/ken band
【画像引用元:https://www.wwdjapan.com/s/1284010】
今回の憧れのギターヒーローは日本メロコアバンドのパイオニア横山健です。
伝説的バンドHi-STANDARDのギタリスト兼ボーカルで、インディーズレーベルPIZZA OF DEATH RECORDSの代表として日本メロコア界を支える重鎮です。
【画像引用元:https://www.barks.jp/news/?id=1000163263】
メタル出身パンクロック育ち
横山は中学生時代からメタル音楽を好んで聴いており、特にアイアン・メイデン、メタリカ、オジー・オズボーンを聴いていました。ギターを始めたのは高校生からで海外メタルバンドのコピーを中心に練習やバンド活動に明け暮れていました。また、その頃からアメリカ西海岸カルチャーに影響を受け、スケボーやファッションに興味を持ち始めます。
スケーターファッションに多い、TシャツにチノパンそしてVANSのスニーカー。Hi-STANDARDの頃から現在でもステージではこのスタイルで通しています。
高校三年生頃にメジャーデビューしたばかりのブルーハーツにハマり、パンクロックに目覚めていきます。ブルーハーツのような開放的なスタイルに憧れている中、エレファントカシマシの1stアルバム「THE ELEPHANT KASHIMASHI」を聴いて宮本浩次の骨太ロックに衝撃を受けます。横山はこの時期のことを、
「ブルーハーツに夢を見せられて、エレカシに首を絞殺された。」
と語っています。ブルーハーツとエレカシの影響を大きく受け、「オリジナルで在れ」ということに気付かされメタル、パンク、ロックの枠にこだわる必要はない。自分なりの音楽を貫こうと思うようになります。
2019年宮本からのオファーで「Do you remember?」を共同制作。
横山にとって宮本との共同作業は衝撃的でドラマチックでロックな日々だったと語っています。
伝説バンド
1991年。ベースボーカルの難波、ドラムの恒岡、と共にHi-STANDARDを結成。結成当初はボーカルが在籍していましたが直ぐに脱退しています。東京のライブハウスを中心に活動を行い、‘94年にはトイズファクトリーレコードからミニアルバム「LAST OF SUNNYDAY」を発売。パンク、ハードコア、ロックが混在した新しい音楽はジャパニーズメロコアとなり一気に注目を集めます。
翌年発売された「GROWING UP」は海外盤を含め70万枚のセールスとなり日本にメロコアブームを起こします。その後、音楽フェスの主催やインディーズレーベル「PIZZA OF DEATH RECORDS」を設立し、代表を務めるようになります。
【画像引用元:https://www.pizzaofdeath.com/】
日本のメロコアバンドを牽引しながらストリートカルチャーと音楽を融合させたイベントAIR JAMの開催など、インディーズバンドブームを巻き起こします。
そして1999年、Hi-STANDARDの代表曲が詰まったアルバム「MAKING THE ROAD」をリリース。100万枚を超えるセールスとなりHi-STANDARDの人気は音楽のみならず、ひとつのカルチャーとして若者の支持を得ました。
その翌年の2000年、横山が精神的にバランスを崩し休養が必要と判断し、人気絶頂の最中に活動休止となります。横山はリハビリを兼ねてバンドBBQ CHICKENSを結成。サイドプロジェクトとして活動しますが、この活動がHi-STANDARDのメンバーに誤解を招き
確執が生じ、Hi-STANDARD活動休止が11年間続くことになります。
その後、BBQ CHICKENSやソロ活動を行い横山はさらに日本のメロコアバンドブームを牽引し続けていきます。
【画像引用元:https://natalie.mu/music/news/525488】
KEN YOKOYAMAとしても成功を収め活動していた頃、2011年突然Hi-STANDARD活動再開の発表。2011年3月11に起きた東日本大震災の復興支援として、音楽イベントAIR JAMの開催も行い多くのファンが熱狂しました。3万枚のチケットに対して22万枚の応募があり当時は音楽業界のみならず誰もが注目していました。
それからもHi-STANDARDとしての活動は不定期ながらも続き様々なフェスなどに参加、若手ミュージシャンとの交流も深め、さらに2017年には新作アルバム「THE GIFT」をゲリラリリースするなどファンを驚かせていきます。
2023年、Hi-STANDARDのドラム恒岡が急逝。大きな悲しみに包まれる中、横山と難波はHi-STANDARDの活動継続を発表。落ち込む間もなく新曲のリリースや、フェスの参加など恒岡の遺志を継ぐように精力的に活動を行っています。
GUITARIST「KEN YOKOYAMA」
永遠のパンクヒーローとして多くのギターキッズから憧れとされている横山。
ギタープレイはボーカル兼任ということもありストレートなコード弾きスタイルが多いが、横山本人はハードロック、メタル好きでエドワード・ヴァン・ヘイレンに憧れていたり、初めてコピーした曲はレインボーの「シンス・ユー・ビーン・ゴーン」と語っています。
リードや、ソロは少なく速弾きなどはどちらかというと苦手な方で、横山本人も自分はギターが下手な方と公言しています。ですが、がむしゃらに弾くギターをかき鳴らすスタイルはカッコよく多くのファンが憧れています。Fコードなんか弾けなくたっていい、とにかく自由にかき鳴らすんだ!と技術よりハートの方を重んじる熱いギタリストです。
【画像引用元:https://www.barks.jp/news/?id=1000152632】
コードひとつ鳴らすだけで、KEN YOKOYAMAだとわかるくらいギターへの情熱が凄く伝わってきます。
KEN‘s Guitar
横山が愛用してきたギターは数多く、ギター選びのセンスは抜群でさすがメロコア界のカリスマと言えるギター揃いです。
ESP Navigator N-LP380 通称ハニー
ハイスタ時代から使用しているNavigatorのレスポールスタンダードタイプ。
リアピックアップはSeymour Duncan SH-4に交換されていて、トグルスイッチは弾いている最中に手が当たって変わらないようにリアのポジションでガムテープで固定されています。後にシグネイチャーモデルがN-LP-‘97HONEY KENとして発売されています。受注生産品で検品は横山本人が行いガムテープも貼っているそうです。
ハイスタ初期の頃から使用しているNavigator製のレスポールカスタムタイプ。通称「Skate」。
【画像引用元:https://kenyokoyama.com/guitar/no-17-navigator-n-lp-320ctm/】
緑色のボリュームノブはオーストリアの楽器屋で購入したものでメモリが「11」まであるという粋なもの。スケーターショップ「STORMY」のステッカーはトグルスイッチの穴から埃が入るのを防ぐのにたまたま使用したものでしたが、問い合わせが殺到し、ESPギターでSTORMYのステッカーを販売するという珍事になったそうです。オールマホガニー仕様で音が暴れるらしいが近年の楽曲でも使用しているそうです。
ハイスタ時代は主にESP製のレスポールタイプを使用していましたが、BBQ CHICKENS、KEN YOKOYAMA、KEN BANDでは横山がデザインしたレスポールダブルカッタウェイのようなシェイプの「助六」を使用しています。助六の由来はヘッドのシェイプが羽子板のような形をしており羽子板とネットで検索したところ、助六が描かれた羽子板が表示されたため、助六になったそうです。
初代助六は無塗装の状態のサウンドが気に入ってしまい塗装はしたくなかったが、耐久性などにより仕方なくオイルフィニッシュに仕上げたそうです。ピックアップはSeymour Duncan SH-4が搭載され、トグルスイッチは手が当たらないようにボリュームノブ付近に設置してあります。助六は様々なカラーバージョンがあり、EMGピックアップを搭載したモデルもあります。
通称「イグアナ」助六と言えばこのカラーリングという人も多いかと思います。
ハイスタ復活時にも使用されていて、他の助六よりもスピード感があるらしくハイスタに合っているそうです。演奏中に砂埃を被ってしまい、横山がステージ上に置いたらしいのですが倒れてネックが折れてしまったそうです。ギターテクは置いたんじゃくて投げてたと言っていますが…。ライブ中は熱くなりますもんね!今はキレイにリペアされています。
【画像引用元:https://rockinon.com/live/detail/17915&title=Ken】
レスポールタイプを長らく使用していた横山ですが突如GRETSCH製のギターを使用するようになります。
ブライン・セッツァーモデルや、ホワイトファルコンを深く歪ませブライトで独特のサウンドを生み出していきます。そして2015年にGRETSCHからアジア初となるシグネイチャーモデルを制作します。これまでに4本のモデルが制作されどれもGRETSCHらしさと横山のセンスが融合したエキセントリックなギターになっています。
横山はエキセントリックなギターを作りたいと語っていて、サウンド面とともにルックスも重視し細部にまでこだわりをみせました。
【画像引用元:https://www2.satanic.jp/ebook/html/sc17_ebook/satan05】
【画像引用元:https://www.gretschguitars.jp/blog/2021/9/ken-yokoyama-special-interview/1153/】
GRETSCH G6136 Kenny Falcon with String-Thru Bigsby ESGSPはTV Jonesとの共同開発で生まれたオリジナルピックアップ「kenny Tron」の3ピックアップ仕様となり、こだわりのトーンスイッチを搭載。煌びやかなラメ塗装のカラーリングが光る横山らしいモデルです。いわゆる箱ものと言われるギターはグレッチの他にもGibson 355などセミアコギターも所有しています。
Woodstics Guitars 横山によるESP内のブランドでレスポールタイプにBigsbyブリッジが使用されているのが特徴です。
近年ではテレキャスターを使用していることもあり、FenderやCrestonを使用しています。
【画像引用元:https://www.barks.jp/news/?id=1000205059】
どちらもBigsbyタイプのブリッジが搭載されています。
アンプはハイスタ初期の頃はMESA BOOGIE DUAL RECTIFIRE、そして短い期間でSOLDANO REVERB-0-SONIC COMBOなど使用していましたが一番愛用しているアンプはDiezel Herbertです。どれもハイゲインで有名なアンプですが特にDiezel Herbertは深くダーティーな歪が特徴で、出音が前面にガツン!と鳴る勢いがいいモダンなアンプです。
エフェクター類は使用せず、レコーディングライブでもアンプ直でのサウンド作りとなっています。足元もチャンネル切替スイッチのみとなっています。
使用している弦はERNIE BALL/アーニーボールのレギュラー10-46でピックはJim Dunlop Tortex0.88
コードでガンガンかき鳴らすプレイにピッタリな仕様となっています。
冒険家 KEN YOKOYAMA
常に新しいことにチャレンジし続ける横山。2023年にはサブスク中心となった音楽シーンに合わせて「シングル・シリーズ」という形でのリリースを開始。
PCがメインで制作された音楽がメインストリームを席巻しているのはしょうがないと思いつつ、それでもやっぱりギターをかき鳴らした音楽を発信しつづけたいと横山は語っています。
「生まれ変わってもギターと出会い、ロックロールと生きていきたい」
Hi-STANDARD復活からの恒岡の死。そして激変した音楽シーンをKEN YOKOYAMAはこれからどう冒険していくのか楽しみです。
【画像引用元:https://natalie.mu/music/news/540834】
KEN YOKOYAMA BEST5
ソロデビューアルバムの1曲目。アコギから始まる横山らしいアレンジで前向 きな気持ちにさせてくれる1曲です。
ポップパンクのような軽快な1曲。愛情をストレートに表現した歌詞で、KEN YOKOYAMAとして確立してきた頃のパンクロックです。
Gretschギターをメインに使用してきた頃の楽曲で、ロックに回帰したと言われる1曲。ギタリストよりもソングライター色が強いが、横山の情熱が強く感じられる楽曲です。
キャッチ―でいて、どこか切ないメロディが切実に俺にはパンクしかない!と感じられる1曲です。ハイスタ時代からのファンが聴くと必ず泣けます!
シングル・シリーズ第二弾となった1曲。54歳となったパンクロッカーがまだまだ新たな刺激を求め、鋭い気迫を感じさせます。今の日本に足りない部分をロックで埋めてくれそうな1曲です。