マイケル・シェンカー
1955年1月10日生れ
ドイツ ニーダーザクセン州出身
スコーピオンズ/UFO/マイケル・シェンカー・グループ/マイケル・シェンカー・フェスト
今回のギターヒーローは「神」と称されるマイケル・シェンカーです。
黒と白のカラーリングを施したフライングVが印象的なマイケル・シェンカー。
スコーピオンズ、UFOと伝説的なバンドに在籍し、自身のバンド「マイケル・シェンカーグループ」でロックギタリストとして名声をあげました。
ギター兄弟
マイケル・シェンカーの兄「ルドルフ・シェンカー」はスコーピオンズのギターとして有名ですが、そのルドルフの影響で9歳からギターを始めました。マイケル本人はエルヴィス・プレスリーに憧れていたようですが、ルドルフから練習用にと渡されたテープにはThe shadows」でした。1日もかからずメロディを弾けたことにルドルフは驚き、マイケルにビートルズなどの曲を教えていました。
コピーバンドを組み11歳でステージに立つなどギタリストとしての経験を幼い頃から重ねていきます。その後、レズリー・ウェスト、ジェフ・ベック、リッチー・ブラックモア、エリック・クラプトンの影響を受け、ロックな楽曲を好み練習に励んでいきます。
17歳の時にはルドルフが結成したスコーピオンズのデビューアルバム「恐怖の蠍団」にリードギターとして参加します。
翌年にはスコーピオンズと親交のあったバンド「UFO」から突如失踪したギターの代わりにマイケルを借りたいと申し出があり、18歳でUFOに加入します。UFOのブリティッシュハードロックとマイケルなハードなリフがバンドとして確立し、世界に名が知られるようになりました。
MSG
1978年までUFOに在籍し、脱退後はスコーピオンズに籍を置きながら自身のバンド「マイケル・シェンカー・グループ/MSG」を結成します。
マイケルのテクニカルギタープレイに、シンプルなハードロックを基本としたメロディアンスな曲調が印象的で、当時流行したNWOBHM(ニュー・ウェイブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)にハマり、ボーカルのグラハム・ボネット、ドラムのコージー・パウエルが在籍していた結成当初は大人気を得ていました。
マイケル自身の私生活での問題や、破天荒な性格やメンバーとの問題など様々な要因でメンバーチェンジや活動期休止を繰り返しながら現在に至ります。
今までグループに在籍やセッションしたミュージシャンは豪華なメンツが多く、有名なところでは、ケリー・キング、ビリー・シーン、バリー・スパークス、サイモン・フィリップス、シェーンガラースがアルバム参加やライブに出演していました。
プレイスタイル
マイケルのギタースタイルは正統派のペンタトニックを応用したロックスタイルで、リフが実に素晴らしいことで有名です。難し過ぎず、シンプル過ぎず、そしてヘヴィ!正統派なだけにマイケルに影響されているギタリストも多くB‘zの松本孝弘もその一人だと思われます。オクターブ奏法やカッティングなどを活用し、超絶最速ギターソロ!もなくロックを基本としたソロですがストレートでガツンとくる印象深いギタープレイです。
【画像引用元:https://rockinon.com/live/detail/179754】
特殊な奏法としてはネックベンド(ヘッドどボディを相違に押し込むことで弦が一時的に緩みアームダウンのような音を出す技法)を多用していますが、それが原因でネック折れを何度も起こしています。また、エナジーチャンネルと呼ばれる金属片をピックスクラッチのように使用し、特殊な高音を出すハウラー奏法と呼ばれるものがあります。
↑ネックを手前に押し込み、ボディを体の方へ押し込むネックベンド奏法
黒と白
マイケルのギターと言えば黒白カラーのフライングVです。デビュー時期はGibson製のレスポールやフライングVを使用していましたが。当初兄ルドルフがフライングVを、マイケルがレスポールを購入したのですが、スコーピオンズのライブ当日にマイケルが部屋のカギを無くしギターが持ち出せないというトラブルがあり、仕方なくルドルフが貸したフライングVを演奏しところマイケルが気に入ってしまったとのことです。
その後UFOに加入するタイミングで新たなフライングVを購入するわけですが、マイケルはそれから長年フライングVを使用し続けます。
↑フライングVメダリオンを弾くマイケル・シェンカー
メダリオンV
1967~1971年の間に限定生産され、メダル・オーナメントが埋め込まれたチェリーレッドのフライングVを通称「メダリオン」と呼びます。兄ルドルフが憧れていたものであり、マイケルも幾度となく借りて演奏していました。
マイケルもメダリオンを入手しますが、おそらくごく少数しか作られなかった1973年製の追加分のメダリオンと思われます。メダルが埋め込まれたメダリオンも入手しますがネック折れなどを繰り返しリペアされる度にカスタムが施されていきました。その後、塗装は剥がされ、黒に塗り、白に塗りを繰り返し、1978年ツアー中に訪れたヘイマー社で白黒塗装にしスコーピオンズのライブで使用されるようになりました。
マイケルが使用するフライングVはシャーラー製ペグ、ピックアップカバーを外しエスカッションを追加というカスタムがマストとなります。
長らくメイン機として愛用しますが、なんと1989年ロンドンの空港で置き忘れ、紛失してしまいます。
救いのDEAN
マイケルはギタリストとしての地位をあげていましたが、長らく使用しているGibson社とはエンドース契約を結んでいませんでした。おそらくベンツにギターを叩きつけたり、アルコール&ドラッグ依存症でギターを粉々にしたりとギターの扱いに懸念されていたのでしょう。その為、全て自腹で購入していましたが2003年に離婚に端を発する詐欺事件に巻き込まれ、その影響で生活資金や活動資金を捻出するためにギターを全て売却してしまいました。他のにもスタッフの手違いが原因でツアーが行えないなどトラブルが続きマイケルは精神的にも落ち込んでしまいました。
そんな中、救いの手を差し伸べたのがダイムバック・ダレルが使用してるMLで有名な「DEAN社」です。DEAN社はマイケルとエンドース契約を結び黒白フライングVを復活させました。Vシェイプとネックの握りやすさから何とプロトタイプ1号でOKを出したそうです。
仕様はボディ、ネック共にマホガニーが使用され指板はエボニーとなっています。ネックの形状はVシェイプに近くジャンボフレットとなっています。
【 画像引用元:https://stagegear.jp/20180905michael-schenker】
ピックアップには細かな調整が求められ幾度もコイルの巻き直しや仕様が変更されたようです。完成度の高いピックアップはシグネイチャーモデルが発売されています。リアピックアップは中音域が強くハッキリとした印象で、歪ませた時でもピッキングのニュアンスが出やすくなっています。
DEAN製 マイケル・シェンカーモデルMichael Schenker Lights Out Bridge Black
マイケルの耳は昔から評判が良く、磁石の自然劣化による微細なトーンの違いに気づけたそうです。
【画像引用元:https://stagegear.jp/20180905michael-schenker】
DEAN社製からはマイケルのアイデアで様々なカラーリングや仕様のモデルが制作され、本人が使用しているDean Michael Schenker Standard Customを細部をスキャニングし、エイジングまで忠実に再現したモデルが世界で75本限定で販売されていました。
ストレートサウンド
アンプは長年Marshallを使用しており、近年はJCM800/2205/50Wを使用しています。
【画像引用元:https://stagegear.jp/20180905michael-schenker/3】
ゲインとヴォリュームはフルテンの男前なセッティングです。
足元のエフェクターはBOSS製を好み、ディレイ、コーラスがメインとなっています。ワウペダルはJim Dunlop製のダイムバッグシグネイチャーCry Baby DB-01を使用しています。
【画像引用元:https://stagegear.jp/20180905michael-schenker/3】
①チューナー/BOSS TU-3 ②コーラス/BOSS CH-1 ③④ディレイ/BOSS DD-3⑤オーバードライブ/Ibanez TS-9 ⑥パワーサプライ/VooDoo LAB Pedal Power 2Plus ⑦ストンプボックス/Logjam Logarhyhm
1980~1990年代はアンプ+ワウといったシンプルなセッティングで、空間系のエフェクトはPAが行っていました。
マイケル不思議発見!
活動期間が長く、数々の逸話が多いマイケルを研究しているファンが多いです。
Gibson社製のフライングVを使用していた頃の資料も少なく、また紛失していることから古い映像や写真から調べるしか術はなく、様々な見解のもと多くのファンが個人でカスタムを施したり、様々なギターブランドもマイケル・シェンカーモデルを制作しています。
マイケル自身も記憶があいまいな所もある為、謎が多いですが、それもマイケルの魅力の一つとして今でも多くのファンから愛され続けています。
マイケル・シェンカー・グループ/フェストと活動していますのでぜひマイケルシェンカーのストレートなロックをお聞きください!
マイケル・シェンカー名盤
マイケルが神と呼ばれるきっかけとなった『神(帰ってきたフライング・アロウ)邦題』 やっぱりMSGと言えばこの1枚!ロックの歴史に残る名盤。
収録曲「IINTO THE ARENA」はB’z松本孝弘もカバーするなどギターキッズには欠かせない永遠のロックギターリフです!!
Michael Schenker Group INTOTHE ARENA(2000 remaster)