伝説のギター・ヒーロー【プリニ編】

Plini(Plini Roessler-Holgate)
出身:オーストラリア シドニー
1992年6月22日生まれ

モダン系のギタリストとして日本でもトップの知名度を誇るプリニ、何を隠そう筆者も敬愛しています。
驚異的なテクニックと作曲技術はなんと独学だというのだから驚きです。
テクニカルさとキャッチーさは本来相反する傾向にありますが、彼の楽曲はインストでありながら思わず歌いたくなるような爽やかさと興奮が高次元で共存しています。

今回は若きギターヒーロー、プリニを紐解いていきましょう。

※こちらの記事では初期「Halcyon」名義での活動については割愛させていただきます。

〇ベッドルームから世界へ

彼のYoutubeチャンネルが始動したのは2012年3月12日、「Teaser #1」から「#4」というタイトルでいわゆる「弾いてみた」的な映像から放たれた音楽は徐々に注目を浴びていきました。
翌年には満を持してEP「Other Things」をリリース、心地よいアンビエントさと柔軟かつなテクニカルなプレイが融合した、彼ならではのフレーズと楽曲展開は既にこの時点で完成されていたと言えるでしょう。

その後もコンスタントにリリースされた作品でもその世界観は一貫しており、テクニカル系プレイヤーにありがちな「詰め込みすぎ」なアプローチとは一線を画しており、むしろ目を閉じて没頭したくなるような美しい楽曲を作り続けています。
若き才能は自室のベッドルームから世界へ飛び出し、多くの人々を魅了する次世代のヒーローとなったのです。

〇楽曲を活かすベストな選択

現代の巨匠スティーヴ・ヴァイからも「卓越したギタープレイの未来」と称されるプリニ、彼の楽曲には得意のプログレッシブ・ロックやメタル、スタンダードなロックのエッセンスだけではなく、アラン・ホールズワース的なアプローチや日本音階まで感じられます。
彼は「自身が面白いと感じる音楽を創る」ことを大切にしていると語っており、自らの創作意欲を満たすために、様々なジャンルから貪欲に音楽を吸収してきたのでしょう。
だからこそ幅広い層からの支持を集める旗手となったのです。
彼にとっては複雑なリズムアプローチも高度なテクニックも楽曲を彩る為の手段でしかないのです。

単なる手段として割り切るには余りにも多彩な彼のテクニック、フィンガーボードを自在に行き来するタッピングやピックと指の両方を駆使したハイブリッドピッキング、正確無比なオルタネイト、そして流麗なアルペジオとレガートをシンコペーションや変拍子を織り交ぜ楽曲を構成していくのが彼のスタイル。

空間系を駆使した浮遊感ある音作りとフレーズも彼を語るには欠かせません。
たっぷりと効かせたリバーブとディレイに加え、ハードなバッキングの上で揺蕩うような美しいメロディを聞かせてくれます。
彼の音楽は影響を公言しているジョー・サトリアーニやスティーヴ・ヴァイと同様にリディアンスケールを多用する事で、独特の明るく幻想的な響きを生み出しています。
かと思えばメタル然とした強烈なリードサウンドに豹変し、上記のリズムアプローチと相まって先の読めない展開を繰り広げつつ見事に楽曲をまとめ上げています。

○機材について

キャリア初期はIbanezのSシリーズを使用していましたが、現在はヘッドレスとファンフレットで有名なstrandberg社と契約、シグネイチャーモデルも発売されています。
最新モデルはボディとネックにマホガニーを使用し指板にはリッチライトを採用。
PUはフロント/リア共にSuhr社製のものを搭載、フロントにSSV、リアにSSH+を組み合わせることで、ハイパワーでウォームなサウンドを実現し、プリニの魅力を最大限に引き立てます。

もう一つの愛機として有名なのは「Sälen」を基としたシグネイチャーモデル。
クリアなシングルコイルサウンドを求めフロントにSuhr Classic Tを搭載、トーンノブの排除やBodenと異なるボディシェイプなどなど、サウンド・ルックス両方のこだわりが反映された一本。

また、つい先日特殊なグラフィックが施された「Mirage」も発売されましたね。

エフェクトやアンプ類に関しては、今やアンプシミュレーターのスタンダードになりつつあるNeural DSPのプラグイン、「Archetype: Plini」を導入。
本人の名を冠したこのプラグインを使えば、彼の爽やかで浮遊感のあるサウンドを誰でも手軽に再現できます。

Pliniの魅力は楽曲を聴けばその沼に引きずり込まれること間違いなし、いくつかご紹介しましょう。

 

 

人気曲盛り合わせのライブ映像、手元のアップも多いのでプレイヤーにも嬉しい NAMM2018での一コマ、活動初期からの盟友Simon Grooveとの共演 筆者お気に入り、目を閉じてじっくり味わいたい名曲

Guitarist