ヌーノ・ベッテンコート
本名:ヌーノ・ドゥアルテ・ジル・メンデス・ベッテンコート
1966年9月20日生れ
ポルトガル アゾレス諸島出身
エクストリーム/モーニング・ウィドウズ/ドラマゴッズ
今回のギターヒーローはイケメンファンキーギタリスト「ヌーノ・ベッテンコート」です。
ノリのいい16分音符にのせたリフが得意で、高度なギターテクニックで難解なフレーズも正確に弾きこなすトップギタリストです。
【画像引用元:https://guitar.com/news/music-news/nuno-bettencourt-prince-top-3/】
ポルトガルの音楽一家
ポルトガルの小さな島で10人兄弟の末っ子として生まれたヌーノ。4歳の頃に一家はアメリカのボストンに引っ越してきます。父親を中心に家族全員が楽器演奏をしていたことから、ヌーノもドラム。ベース、ピアノ、ギターを次から次に覚えていくようになっていきます。
ギターは遅く、14歳の頃から始めています。音楽一家だったということもあり、多くのミュージシャンからの影響を受けています。ビートルズ、レッド・ツェッペリン、クイーン、プリンス、ヴァン・ヘイレン、パコ・デ・ルシア等々ロック、ポップ、フュージョン、フラメンコ、メタルなど幅広い音楽を聞き入れています。
ギターを始め1日7時間以上を練習に費やし、高校の頃にはバンドとギターに明け暮れ音楽の道へと進むため高校を中退します。
EXTREME
1985年、ヌーノが19歳の頃ボストンでドリームというバンドで活動していたゲイリー・シェローンとポール・ギアリーがヌーノのギターテクニックを見込み加入させます。
そしてバンド名をEXTREME/エクストリームに改名し活動を始めます。地元ボストンで着実に人気を得ていき、1989年にアルバム「EXTREME」でデビューします。
続いて2作目のアルバム「ポルノグラフティ」に収録された「More Than Words」が大ヒットとなり全米1位となり人気は全世界へと広がっていきます。
More Than Wordsは世界的に大ヒットしますが、ヌーノは求められている楽曲がビートが効いたロックではなくバラードだったことに苦悩したらしいです。
エクストリームの人気の一つとしてヌーノの持つ「ファンク」があります。
ファンクとヘヴィメタルなサウンドの融合が新たなジャンルを作り、ゲイリー・シェローンのパワフルなボーカル、バンド全体のレベルも評価が高くクイーンを彷彿とさせるコーラスワークやハードロックながらもキレイなメロディもエクストリームの魅力です。
そこにはヌーノ大きなプロデュース力がありました。
1992年ロンドンで行われたクイーン/フレディー・マーキュリートリビュートイベントでエクストリームが演奏することが決まり、そこで披露するクイーンメドレーをヌーノが編曲を担当したのですが、その完成度が高く演奏面も高レベルだったとこが観衆のみならず他のアーティストからも絶賛の嵐だったそうです。クイーンのブライアン・メイは「クイーンの最大の理解者だ」と評価しています。
その後、エクストリームは4作のアルバムを制作しますが、ヌーノの脱退とゲイリーのヴァン・ヘイレン加入で事実上解散となります。
その後、ヌーノを中心としたドラマゴッズなどバンド活動を行いますが、長く続かず基本的にはソロ活動やセッションギタリストとして活動していきます。
ミュージシャンズ・ミュージシャン
ヌーノの高レベルなギター技術と、編曲力は高評価で数多くのミュージシャン達にも影響を与えています。その卓越した技術と能力から「ミュージシャンズ・ミュージシャン」と称えられています。
プリンスからは「世界の三本の指に入るギタリスト」と称され、ジャネット・ジャクソンからは作曲のオファーがり、リアーナからはツアーギタリストなどを任せられています。
日本では嵐のランナウェイ・トレイン、cry for youに参加しています。
超絶技巧
ヌーノのギタープレイの特徴は「リズム」です。弦を刻む正確なリズムとパーカッシブなグルーブはまるで打楽器のような印象です。16ビートにのせたリフも歯切れよく聞こえるため、ファンクメタルとして呼ばれるようになりました。
ギター技術はヴァン・ヘイレンからの影響が大きいですが、ラテン系のギタリストからの影響もあり、スピード感のある速弾きでも正確にピッキングをしています。
また、弦飛びや複雑な運指が多いリフやソロですがそれをこなす秘策が左手の黒いマニキュアだそうです。爪が黒いと指の動きが瞬時に判断できるようになり、スムーズな運指が可能になるそうです。
タッピングを多用したソロや王道なペンタトニック、アコースティックギターなどスタイルは幅広く、セッションギタリストとしてのスキルも非常に高く、他のギタリストからも高く評価されています。
最高傑作N4
長年ヌーノが使用しているギター「N4」。Washburn社製のヌーノモデルでヌーノのテクニックを最大限に発揮させるスーパーギターです。
「Buss Feiten Tuning System」というチューニングシステムを搭載しており、ナットの微妙な位置の違いで不均一なイントネーションを補正し、整った倍音効果をもたらし、スッキリとした濁りの無い和音が響きます。
「ステファン・エクステンデッド・カッタウェイ」
ハイポジションを弾きやすくするために大きくカットされ金属プレートでジョイントされた画期的なネックジョイント方法です。ジョイント部の厚みも薄く、低い位置にギターを構えてもハイポジションが弾きやすくなっています。
この2点のシステムはヌーノが所有するWashburnのNシリーズには全て搭載されており、絶大な信頼を置いています。
【画像引用元:https://www.kikutani.co.jp/itemlist/39707/】
長年メイン機であったアルダー材のN4は塗装をしていません。ヌーノ曰く塗装するお金が無かったと語っていましたが、塗装することによって音の響きが中音の響きが損なわれるためあえて塗装はしていないそうです。
ボディ形状はストラトより小ぶりでリバースヘッド仕様となっています。ドロップDチューナー付きのフロイドローズを搭載し、コントロールはトグルスイッチとボリュームのみといったシンプルな構成となっています。ピックアップはダイムバッグ・ダレルと同じ仕様で、フロントにはダンカン製の‘59にリアはビル・ローレンスL-500となっています。当時L-500を制作していたビル・ローレンスは廃業していましたが、N4制作部がどうしてもと熱意を伝えたところL-500の制作を再開してくれたようです。
ボディにはN4のホログラムステッカーが貼られています。このN4は一番最初に製作された1本であり非常に価値のある1本となっており、何度か盗難されそうになったため、現在は使用されず厳重に保管されているようです。
現在のメイン機である「4N」。N4と同様の仕様となっておりライブ、レコーディングで10年近く使用しています。4Nのステッカーが貼られており、ヴァン・ヘイレンへの敬意を表す黒・白・黄色のテープが貼られています。また、リアピックアップのエスカッション部のネジには弦が引っかからないようにテープで塞がれています。
Nシリーズにはスワンプアッシュ材や、パデューク材を使用した様々なモデルやカラーパターンがいくつかあります。
塗装されたギターは本来好みではないみたいですけど、MVやステージでの演出のため数本使用しています。
【画像引用元:https://www.guitarworld.com/features/nuno-bettencourt-extreme-six】
ヌーノの新しいギターはテレキャスターのようなボディ形状となっており、Telecasterの「Tele」とNunoの「N」を合わせて「Nele」と呼ばれています。ヌーノはフェンダー社に連絡して「Tele」をもじって呼称してもいいか?と確認をとったそうです。
フロイドローズ非搭載になっていますが、スワンプ・アッシュ材でネックジョイントはステファン・エクステンデッド・カッタウェイになっており、N4を受け継いだ仕様となっています。リアピックアップにはビル・ローレンスのL-250が搭載されており、フロントピックアップとの組み合わせが可能な6wayトグルスイッチになっています。
【画像引用元:https://www.washburn.com/product/nele-standard/】
繊細かつ大胆
アンプはRandoll社で制作されたヌーノシグネチャーモデル「NB KING100」をメインで使用しています。ヌーノの友人が基本的な設計をしており、マーシャルとケトナーを比較しながら制作したアンプです。重厚感があり、歪の深いハイゲインが特徴的ですがクリーントーンは煌びやかで抜けのいい中音が心地よく、澄んだトーンが特徴です。
ボリュームコントロールは大きく外観はレトロな雰囲気を出しています。
VUメーターをいうピッキングに合わせて針が振れる測定器が搭載されており、アンプセッティングの際にはこれを基準にしているみたいです。
NB KING100の他にもMarshall「JCM2000 DSL 100」を使用している場合があります。
初期の頃はRATなどの歪エフェクターを使用していましたが、2000年頃からはエフェクターは殆ど使用されておらず、本人もあまり興味がないと語っています。歪はアンプで作られており、BOSS製のマルチエフェクターでディレイ、フランジャーをかけています。ピッキングのニュアンスやアンプの状態には繊細ですが、アンプ直の音を好む大胆な音作りとなっています。
※2004年以降はBOSS マルチエフェクターGT8とオクターバーOC-4とシンプルで現在でもマルチエフェクターの変更はあるものの大きな変更はない。
サラサラヘアーのイケメンギタリスト
ヌーノの人気の秘訣はギターの技術はもちろんですがなんといってもあのルックス。
【画像引用元:https://loudwire.com/extreme-nuno-bettencourt-rock-icon-top-three-guitarist-in-the-world/】
サラサラヘアーにラテン系の端正な顔立ち…そして手足の長いこと。昔から女性のファンも多く、ヌーノからエクスリームのファンになった人も多いようです。一度来日公演のリハの時に少しお話することができましたが、イイ匂いのする笑顔が素敵なイケメンでした。身長はそこまで高くなくて175㎝の僕と同じくらいでビックリしましたが、足の長さは比べ物にならないほど長かったです…。ネイティブアメリカンのような羽根をモチーフにしたなアクセサリーを使用していることが多く最近ではギターにも羽根の飾りを付けています。
【画像引用元:https://ultimateclassicrock.com/nuno-bettencourt-kitt-wakeley/】
2023年現在56歳になってもスマートな体型でライブパフィーマンスもキレがあり、ギターのテクニックも超絶。そしてイケメン…。羨ましい限りです。たしかザックワイルドも56歳だっような…ザックも若い頃はイケメンだったけど。
SIX
【画像引用元:https://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A021853/VICP-65611.html】
EXTREME15年振りとなった最新アルバムSIX。ヌーノのギターサウンドはいつものように歯切れよく爽快なロックサウンドで、自然と体動いてしまうリフでギターソロは超絶過ぎて何度も聞いてしまいます。特に「Rise」のギターソロはヌーノ節全開!!といった感じで最高です!
ポルノグラフティ時代を彷彿させるビートに、進化したサウンドがEXTREMEの真骨頂を感じさせ、何年たっても新しいスタイルを試みていることがEXTREMEの魅力です。ぜひ、一度聴いてみてください!
EXTREME Rise(Official Video)
2:20あたりから始まるギターソロは悶絶物です!!